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1.歯のはたらき
歯にはいろいろな役割があります。たとえば
@ たべものをかむ
A 発音を助ける
B 顔の形を整える
C 健康を助ける
 といった役割があります。
@ たべものをかむ 歯の一番重要な役割です。かむことが出来ないと、たべものの栄養がとれなくなり病
   気になってしまいます。よい歯でよくかむことが健康の第一歩です。
A 発音を助ける 歯にも唇や舌と同じように発音を 助ける役割があります。
B 顔の形を整える 子供の時にむし歯が多かったり、歯並びが悪かったりすると大人になってからの顔の
   形に悪い影響を与えます。きれいな歯は、人に良い印象を与えます。
C 健康を助ける 歯が悪いと頭が痛くなったり、姿勢が悪くなったりするほかにいろいろな害があります。
   早期治療を心がけましょう。
2.むし歯の原因
むし歯は、歯の病気の代表的な存在です。むし歯がどういうものかは、ほとんどの人が大まかに知っていることでしょう。むし歯とはなにか、またその原因について簡単に復習しましょう。
むし歯ってなに?
むし歯は細菌が出す酸によって歯の一番かたいエナメル質を溶かしてしまうことからはじまります。そのあとエナメル質よりもやわらかい象牙質、歯髄へと進行します。このころになると歯が痛みだします。また、象牙質や歯髄はエナメル質よりもやわらかいので、どんどん溶けていきます。 むし歯とは口の中の細菌が出す酸が歯を溶かしてしまうおそろしい病変のことです。
3.乳歯はとても大切です
人の歯は一生に一度だけ生え替わります。乳歯は生え替わるからといっておろそかにしてはいけません。永久歯に生え替わるまでの重要な役割があります。あごの発達、顔の輪郭の形成、身体の発育、永久歯の歯ならびなどに影響します。
乳歯のむし歯を放っておくと・・・
乳歯のむし歯は永久歯の歯並びを悪くします。また、かみ合わせが悪くなる(不正咬合)原因にもなります。このように、乳歯と永久歯は密接な関わりがあります。乳歯のむし歯を放っておくと、永久歯に悪い影響が出てこの先ずっと歯のことで苦しむことになりかねませんので早めの治療を心がけてください。
乳歯の名前と生える時期
個人差がありますので多少前後することがあります。 心配があるときは当医院にお気軽にご相談下さい。
4.6歳臼歯について
永久歯の第1大臼歯のことを一般的に6才臼歯といいます。この6才臼歯は永久歯の中で最も早く生えてくる歯で、6才くらいに生えてくるのでこのように呼ばれています。
6歳臼歯の重要性
6才臼歯は永久歯の中で一番始めに生えてきて、上と下の歯の噛み合わせを決定します。6才臼歯が正しい場所に生えてこないと、次に生えてくる歯の歯並び、顔の形、噛み合わせに悪い影響を及ぼします。
6歳臼歯はむし歯になりやすい?
乳歯の1番奥のさらに奥に生えてくるので歯ブラシが届きづらくなります。そのため、みがき残しが多くなります。また、生え始めの時期はエナメル質も柔らかく、酸にとても弱い状態なのでむし歯になりやすくなります。
5.妊娠期のお母さんの歯について
妊娠中や子供を産んだあとは赤ちゃんにカルシウムを奪われてむし歯になりやすいと言われますが、これに対しての医学的根拠は全くありません。しかし、妊娠中や産後のお母さんがむし歯になりやすいのは確かにあります。
なぜ妊娠するとむし歯になりやすいのか
@ 口の中の変化によるもの 妊娠による粘膜組織の変化、細菌に対する抵抗力の低下、唾液中の成分の
   変化により、口の中に細菌がすみやすくなってしまうためです。
A 歯みがきを怠ってしまう つわりがひどいと歯ブラシを口の中に入れただけでもどしそうになり、つい歯み
   がきを怠ってしまいます。また、栄養をとろうとして何度も食事をし、その都度みがかない、不規則に食
  事をとる等も原因の一つです。
むし歯以外にもかかりやすい歯の病気
妊娠中はむし歯以外にも多くの病気にかかりやすくなります。
@ 妊娠性歯肉炎、口内炎・歯ぐきなどから出血しやすくなります。
A 歯周病・・・・・・・・妊娠性歯肉炎と重なってしまうと進行が進みます。
B 歯性中心感染症・・・・歯の慢性化膿性炎症から体の他の部位に異常を起こします。 このほかにも
   様々な病気にかかることがあります。放っておいても治りませんので異常がわかったらすぐに当医
  院にご相談下さい。
妊娠期の食生活
母体や赤ちゃんのために栄養のバランスがとれる理想的な食事は、赤ちゃんの歯にとってもよいことです。赤ちゃんの歯は、妊娠して1ヶ月頃からつくられ始めて3ヶ月頃にはカルシウムを主とした無機質が沈着して固くなっていきます。赤ちゃんの歯の形成期につわりによる偏食や薬を多用した場合、質の悪い歯ができてしまいます。 妊娠しているからといって全く治療ができないわけではありません。自分の歯と赤ちゃんの歯を守るためにも口の中の異常には十分に気をつけて下さい。
6.口臭について
口臭のある人はけっこう多いものです。気にしすぎるのも考えものですが、口臭があることに気づかない人もいます。
口臭の原因
口臭がある人はその人の健康状態が必ずしも良好ではないと思われます。まず原因としてあげられるのが酒やたばこです。また年配の方に多いのが口の中の洗浄力が落ちて口臭が発生するケースです。ほかにも胃が悪かったり(胃炎、胃潰瘍、胃ガンなど)肺や気管支を患っていたり、様々な要因が考えられます。 しかし、口臭の原因の約80%が口の中の疾患なのです。むし歯や歯周病が原因で歯ぐきが膿をもち、その膿が口の中に出てきます。この膿のにおいはとても不快であり、口臭の一番の原因です。また、口の中にたまった歯垢やたべものの残りカス、舌の上にたまりやすい細菌が原因になることもあります。
口臭は市販の口腔洗浄剤では一時的に消すことができても根本的には治りません。人によっては内科的な治療も必要ですが、気になる方は当医院にご相談下さい。
7.インレー・アンレーについて
むし歯治療には状態に応じた様々な治療法があります。むし歯の状態が初期であればあるほど歯科医師も患者さんも少ない負担で治療できます。
初期のむし歯
初期のむし歯であれば悪い部分を削って、そこに詰め物をします。詰め物にはコンポジットレジン(硬いプラスチック材)などがあります。これらはやわらかい素材で、詰めたあと自然に固まりますので、治療も簡単です。
インレー・アンレーとは
むし歯が進行していくと歯を削る部分も多くなり、削った部分をしっかりと修復する必要があります。これには正確さが要求されるため、型を取り金属の修復材を使用します。型に合わせた金属の詰め物のことをインレーといいます。この場合、型を取ってから金属を溶かしたものを流してつくるので1日で終わりというわけにはいきません。 また、臼歯部のかみ合わせ部分全体がむし歯になってしまった場合(むし歯が歯頸部に及んでいないとき)につくる金属の詰め物をアンレーといいます。
8.親知らずについて
親知らずとは、一番奥の歯、つまり永久歯の第三大臼歯のことで、上下左右で合計4本あります。親知らずはみんなが生えるものではなく、全く生えない人や全部揃っていない人も多いのです。
親知らずは、抜いたほうがいいのでしょうか?
正常に4本生えてきたらほかの歯と同様に大切にしてください。問題は、生え方の異常な親知らずです。
例えば
@ 歯ぐきの横から生えてきた。
A 顔を出しそこなって歯ぐきの中に潜ったままになっている などです。
@のような歯は歯ブラシが届きづらいのでむし歯になりやすいです。むし歯になったら抜いた方がよいでしょ
  う。また、異常な生え方のために痛みがあったり、噛み合わせが悪かったりしてほかの歯や顎関節に負
  担をかけているときがあります。上の親知らずだけが生えて下の歯がなく、かみ合わせの相手がない場
  合も抜いてしまった方がよいことが多くみられます。
Aの場合でも親知らずが隣の歯に負担をかけていたり、隣の歯を治療しなければならなかったりするときは
  抜いた方がよいでしょう。
異常に生えた親知らずが起こす問題点
@ 食べ物のカスなどがたまりやすくむし歯になりやすい。
A 歯ブラシが届きづらく、むし歯や口臭の原因になりやすい。
B 隣の歯を押したりして歯並びを乱したり、かみ合わせが悪くなる可能性がある。
C 親知らずが原因で歯肉炎を起こすことがある。
  抜歯そのものは、痛みもほとんどなく簡単に治療できます。当医院にご相談下さい。
9.ホワイトニング治療
歯の色といえば一見真っ白と思われがちですが、実は黄色みを帯びたアイボリーホワイト(象牙色)です。ただ人によっては先天的な理由や、抗生物質などの薬の過剰な服用によって変色してしまう場合があります。
歯の色を戻す、変える方法
不健康に見えてしまう歯の色でもいろいろな方法で変えることができます。
@ ホワイトニング(ブリーチング)
   歯科用の薬剤や、レーザーを使用して歯を白くします。変色の度合いや先天的または歯の内部に原
   因がある人はできない場合もあります。
A 歯面清掃(ティースクリーニング)
   歯に付いた汚れ(タバコのヤニなど)をきれいに落とします。
B セラミッククラウン
   歯を削り、その歯にセラミックでつくったクラウンをかぶせます。変色がひどくても自然な歯の色にする
   ことができます。 以上のようにいくつかの治療法がありますが、人によってはできないものがありま
   す。当医院にご相談下さい。
10.抜歯後の注意
抜歯および口腔外科手術を行った方へ本日は次のことに注意してください。
@ 本日は入浴、飲酒、過激な運動は避けて下さい。
A 傷口を指や舌などでさわらないで下さい。
B 必要以上にうがいをしないで下さい。出血が止まらなくなります。
  *血がどうしても止まらない場合は、清潔な大きめのガーゼなどを傷口に当て、20〜30分間強くかんで
   下さい。
C 1〜2時間程度は麻酔が効いてくちびるや舌がしびれています。
  *あついものを飲んでやけどをしたり、くちびるや口の中を噛んだりしないように注意して下さい。
D 麻酔がきれて痛みが我慢できなくなったら、痛み止めを飲んで下さい。
  *用法、用量をお確かめ下さい。たくさん飲んだからといって効くものではありません。
E 食事の際は患部を刺激しないように注意して下さい。
  *刺激が強い食べ物や飲み物も控えて下さい。
F 物質などを処方されたら、指示通り服用して下さい。

次回の決められた時間に必ずご来院下さい。もし次回までの間になにか異常があったときはすぐにご連絡下さい。
11.フッ素について
フッ素を歯につけるとむし歯になりにくくなるといわれています。ではフッ素とは何なのでしょうか?また、フッ素が歯を強くするとはどういうことなのでしょうか。
生態系におけるフッ素
フッ素はその強い反応性から、自然の状態では単体で存在しません。ですから何らかの物質とくっついて、安定した化合物として存在しています。フッ素は特別な物質ではなく自然界のたくさんのもの(空気、雨、土壌、水道水、動植物組織など)に含まれています。
フッ素のはたらき
歯とフッ素はどのような関わりがあるのでしょうか。人の歯の表面は、エナメル質でおおわれています。エナメル質は人体の中でもっともかたいところですが、むし歯になると溶けてしまいます。フッ素はこのエナメル質(ハイドロキシアパタイト)に取り込まれるとフルオロアパタイトというむし歯に強い(溶けにくい)物質に変えることができます。 また成熟していない形成期の歯に対しては、より結晶性の高いハイドロキシアパタイトを生成して強い歯をつくります。ほかにも自然治癒が可能な初期のむし歯の場合、フッ素を塗ることで治癒を助けることが出来ます。
フッ素の安全性
私たちはフッ素を食べ物や飲物などから自然に少しずつ体内に取り込んでいます。フッ素は特別な薬品ではありませんので、大量に使用しなければ体に悪影響を及ぼしません。
フッ素を塗ったからといってむし歯にならないというわけではありません。フッ素は予防手段の一つにすぎません。むし歯予防の基本は食生活、生活習慣に気をつけることです。
12.治療を中断してしまうと・・・
根管治療(歯の根の治療)を中断すると・・・
細菌や腐敗産物で汚れた根管(歯の神経が入っていた管)を清掃消毒し、薬で隙間なく封鎖する処置が根管治療です。 この根管治療を途中で止めてしまうと、根管内が再び細菌に感染したり、口腔内の汚れで汚染されてしまいます。そして、そのまま放置しておくと、根の先に出来た病巣(根尖病巣)が大きくなってしまったり、むし歯が根の方向に進行してしまい、本来なら抜かなくてもよい歯を抜くことにもなります。 また、根の周囲が膿んで強い痛みが出たり、大きく腫れたりすることもよくあります。 しっかりと最後まで治療を受けないとさらに病気を進行させる結果になってしまいます。
歯を抜いたあと中断すると・・・
歯を抜いた後の処置は、翌日の洗浄、消毒、さらに傷が治ってからの補綴処置(ブリッジ・入れ歯など)が必要になります。
洗浄・消毒は抜歯後の感染予防や、傷の治り具合の確認などのために必要です。
また、抜歯によってなくなった歯を入れる、補綴処置の目的は
@ 審美性の回復
A 咀嚼や発音機能の回復
B 隣の歯や、噛み合わさる歯の位置を保つ
  などです。
抜歯の後も最終的な補綴物がしっかりと入るまで、治療は続きます。途中で中断することは、歯や顎、全身的にもマイナスの結果を招いてしまいます。
削って型を取ってそのままにすると・・・
むし歯などで歯を削った後は、クラウンやブリッジ、詰め物を作るために、型を取ります。 その型を元にして補綴物を製作するわけですが、通常約一週間ほどの製作期間が必要です。 出来た補綴物は患者さんひとりひとりに合わせて作ったオーダーメイドのものです。 また、適合性は非常に精密に出来ており、歯との隙間が生じないようになっています。そのため、型を取ってからあまり多くの日にちが経ってしまいますと、装着時に調整が大変だったり、入らなくなってしまう場合もあります。 さらに、長時間放置すれば再びむし歯になってしまったり、歯並びや噛み合わせに狂いが出てきてしまいます。 型を取った次回の診療の約束は出来るだけ守るようにしてください。また、長時間放置してしまった場合でも、出来るだけ早く受診するようにしてください。
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